ため池の作り方

ため池は三方が自然の山で、水が集まり易く、また堤塘(つつみ、土手)が小さくて沢水が溜まる適地が選ばれ、地盤の堅い部分まで掘り下げられます。

次に土井掘りといって樋(とい)(水を通すため竹や木で造った管)を伏せる部分を掘ります。この樋に用いる材料は、昔は木や竹しかなく、これを永く使用するため、わざと逆勾配にして管の中に常に水を溜め、腐らせないような工夫(木は常に水に浸しておくと腐りにくい)がされていました。

樋伏せが終ると、いよいよ築堤が始まります。堤塘の断面は下図のとおりです。築堤に使われる土には粘土が使われましたが、水が漏れないように真ん中は「中心はがね」といって最も質の良い粘土が使われました。「もっこ」(縄で編んだ土を運ぶ道具)で運ばれた土を30センチ位に一面に敷き、4列~6列に並んだ7~80人もの人足が「かけや」(槌)とどう突きを使い「わらじ」履きで、踊りながら踏み固めます。

ため池の構造

なぜ踊りながら作業をしたかというと、力仕事を継続することは大変な労力が必要であり、踊ることで楽しさを感じ、リズムよく「かけや」を使い、さらに人間の重みで堤を締め固めるためだといわれています。